東京大学珠算研究会

そろばんに関する活動を行なっているサークルは、日本の大学を全て見渡しても数えるほどしかありません。今回は2013年に東大に誕生した、東京大学珠算研究会の初代代表にお話を伺いました。


―珠算研究会はどのようなことをされているサークルですか。

珠算研究会は、部員で集まって皆でそろばんの練習をしているサークルです。普段は掛け算、割り算、見取り算(註:足し算・引き算のこと)の練習をしてから、珠算研のオリジナル問題を皆で解いています。読み上げ算(註:出題者が数を読んでいき、回答者は読み上げられた数を指示通りに足したり引いたりする計算のこと)や、フラッシュ暗算をやることもあります。

テスト期間中は変則的になることもありますが、大抵は金曜日と土曜日、もしくは土曜日と日曜日という風に、週に2回活動しています。時間は2時間で、午前中に活動する場合もあれば、午後から活動する場合もあります。部室がまだないので、駒場の学生会館かコミュニケーションプラザに集まっています。

―珠算研のオリジナル問題は、他の問題と比べてどのような特徴があるのですか。

各自の取得している段に合わせて細かくレベル分けされていて、自分のレベルに合った難易度の問題に挑戦できるということが大きな特徴です。例えば2段を持っている人であれば、まず2段取得者用の問題に挑戦し、問題作成者が決めた基準点に達することができれば、さらに難しい問題(3段取得者向けの問題)にチャレンジすることができます。

一般的な練習問題の場合、いろいろなレベルの人が同じ問題を解くので、当然得点に大きな差が生まれてしまいます。各人が他の人の取得段位をはじめから把握しているわけではなく、自分のレベルが得点に如実に現れてしまうので、自分より得点の高い人と比べて意気消沈してしまいがちですが、オリジナル問題の場合自分よりも段位の高い人はより難しい問題を解いているため、得点の単純比較で一喜一憂することがないというメリットがあります。

―設立までの経緯を教えてください。

2013年の5月に、大学の先輩と私のいとこと一緒に3人で、学生会館でそろばんの練習を始めたのがきっかけです。ただ、上クラのその先輩は、2012年の10月頃から既に別の先輩たちとそろばんのサークルを立ちあげる構想を練っていたらしく、私と先輩で学生会館の一室を借りて練習し始めて数日後、構想を一緒に練っていたその別の先輩たちが一緒に練習し始めるようになりました。6月頃にtwitterのアカウントを取得して、練習日と練習場所を告知するようになると、何件か問い合わせがきて、徐々にメンバーが増えていきました。9月には学友会に申請して、正式に「東京大学珠算研究会」が成立しました。

―現在の部員の構成を教えてください。

部員の定義は曖昧なのですが、メーリスに登録されている人数でいうと、17人です。ただし、全員が練習日に来ることはあまりなく、1回の練習に集まるのは5人くらいです。中学生から40代の人まで練習に参加してくれることがあります。東北からわざわざ来てくださった人もいました。大学別に見ると、東大の他にも大妻女子大や早稲田大、専修大、慶應大の人など様々な大学の人がいます。

―活動されていて、どんなことが楽しかったり嬉しかったりしますか。

私は基本的にそろばんが好きなので、単純にそろばんができるのが楽しいです。答えを出したとき1つの位でも間違っていると不正解になるので、そろばんをするときはそろばんだけに集中しなければなりません。他の一切のことを忘れてそろばんだけに集中できるという、この精神統一的な側面が私は好きです。

またいろいろな大学の人がいるので、他大の人と交流できるというのも嬉しいですし、自分よりもレベルの高い人もいるので、そういう人と一緒に練習することで自分のスキルアップを図ったり、モチベーションを上げたりできるのも良い点ですね。

―そろばんの難しさはどのようなところにあると思いますか。

そろばんをするときに求められているものは3つあると思っています。1つ目はスピード、2つ目は正確さです。制限時間内に答えを出さなければならないのでまず速さが大事ですし、答えを出せたとしても正解でないと意味が無いので、正確さも大切なポイントです。さらにこの他に3つ目として、文字の綺麗さも私は重要なポイントだと思っています。せっかく正解を導けたとしても、自分の書いた答えが読めなければ、ひいては採点者が読めなければ全く意味が無いので、丁寧な字を書かなければなりません。この3点を身につけるのは難しいですが、自分のやる気を生み出す源でもあると思います。

―学外の大会には参加されたのですか。

2013年の12月に「クリスマスカップ」(註:そろばんの全国大会で、あらゆる年代の人が参加できる)に4人が出場して、優良賞を頂きました。しかし、他の団体のレベルはより一層高く、結果をしっかりと受け止めることで自分たちの今のレベルを把握することができ、また自分たちより上のレベルの人の技を見ることができたので、いい経験になりました。

2014年の3月には「東京一決定戦」(註:そろばんの大会で、主に関東のあらゆる年代の人が参加できる)と「英語読み上げ算競技全国大会」に3人が出場します。

―どのような人に入部してほしいですか。

そろばんが好きな人や、そろばんに関して思い出話ができるような人であれば大歓迎です。そうでなくても、興味本位で来てくれても大丈夫です。最近は、自分のスキルアップを目指す経験者の人が新たに部員に加わることが多いのですが、小学校の授業で習っただけというような、そろばん経験が無いに等しい初心者も歓迎しています。また、他大の珠算研の場合は練習にかなり重点を置いていることが多いのですが、私達はもっと和気あいあいと活動しているので、そういう雰囲気を求めている人にはいい環境だと思います。

―これからやりたいこと、代が替わっても引き継いでほしいことはありますか。

大会などで結果を残せればいいのは言うまでもありませんが、それよりも東大でそろばんができる環境を維持していってほしいと思います。各自の技術の向上を目指してほしいですが、そろばんは「読み書きそろばん」というように昔からある文化でもありますし、こうしてそろばんをする者同士が交流しつつ練習できる場がずっと存続してくれたら嬉しいです。

―次期代表の長谷川さんはどのような思いをお持ちですか。

長谷川さん 来年度の展望として、団体として大会で入賞したいということ、個人として入賞したいということ、インドの民間のそろばん教室に講師として来ないかというお誘いを頂いているので、文部科学省の留学プログラムと合わせて新たなプランを作ってみたいということ、の3つがありますね。

―学生へのメッセージをお願いします。

そろばんをしていると記憶力と集中力が向上するので、向上させたい方はぜひそろばんに挑戦してみるのをおすすめします。興味をもった人や、昔、そろばんをしていた人は、是非来てみてください。

―ありがとうございました。

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掲載日:14-03-25
担当:川口倖左
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