不安・悩み

東京大学の学生はどのような悩みを抱えているのでしょうか。「2010年の東京大学学生生活実態調査」の結果からみてみましょう。

不安や悩みとして最も多くあげた項目は「将来の進路や生き方」で「よく悩む」と「ときに悩む」をあわせて82.8%にのぼりました。これに「就職」(71.5%)「勉学(成績・単位など)」(68.4%)「経済的なことや経済的自立」(63.9%)が続きます。

多くの項目で女子の方が男子より悩む割合が高く、特に「勉学(成績・単位など)」「就職」「将来の進路や生き方」「性・異性・恋愛・結婚」「自分の性格」「自分の体調や健康」「人生の意義・目標」でその傾向が見られました。これに対して、「経済的なことや経済的自立」などは男子と女子で差が見られませんでした。

このような不安や悩みの相談相手として最も多くの学生があげたのは「父・母」で、「よく相談する」と「ときどき相談する」をあわせると43.1%となっています。次いで、「大学内のサークルや団体の友人」(38.8%)「大学内の同じ学科や研究室の友人」(35.3%)「大学外の友人」(34.6%)などとなっています。これに対して、学生が相談相手としてあげられることが少なかったのは、「なんでも相談コーナー・学生相談所等」(2.5%)「大学の教職員」(2.7%)「兄弟・姉妹」(12.1%)となっていました。

なお、相談したり話し合ったりするのも男子より女子の割合の方が高く、たとえば、「父・母」に「よく相談する」と「ときどき相談する」を合わせると、男子の37.5%に対して、女子は63.1%となっています。同様に、「兄弟・姉妹」「大学内の同じ学科や研究室の友人」「大学内のサークルや団体の友人」「大学外の友人」「先輩」「恋人」のいずれも、男子より女子の方が相談したり話し合ったりする割合が高くなっています。

最近6ヶ月の間に、体験したり悩んだりしたことで、最も多いのは「強い不安に襲われた」で、「よく体験した」と「時に体験した」を合わせて49.2%でした。次いで「気分が落ち込んだり、何にも興味が持てなくなった」(37.4%)「やる気がなくなり、無気力状態(アパシー)になった」(37.2%)「人と話していてとても緊張したり、不安を感じた」(35.3%)などとなっています。これに対して、体験したり悩んだりしたことで少ないのは「バス・地下鉄・電車などの乗り物に乗るのがこわかった」(3.5%)「体の病気でもないのに、息切れ・めまい・動悸などがした」(7.7%)「食欲がなくなり、食べ物を口にしたくないと思った」(11.3%)などとなっています。

こうした体験や悩んだりしたことについても、多くの項目で男子より女子の方が高い割合になっています。たとえば、「強い不安に襲われた」「気分が落ち込んだり、何にも興味が持てなくなった」「人と一緒にいてもさびしい感じがした」「やる気がなくなり、無気力状態(アパシー)になった」「ついつい過食してしまう傾向があった」で、その傾向が見られました。これに対して、「他の人が自分に敵意を持っている、人から監視されていると感じた」項目のみで、男子の割合の方が高くなっています。

こうした悩みや不安を解消するための大学の対応として最も多くの学生が挙げたのは、「奨学金の充実や、授業料免除など、経済的支援を強化する」でした。「全くそう思う」と「まあそう思う」を合わせて67.3%、3分の2以上の学生が挙げています。これに次いで、「就職指導や進路指導の機能を充実させる」(64.8%)「学部進学や大学院進学について相談機能を充実させる」(60.2%)といった相談・指導機能の強化が挙げられています。これに対して「クラス担任制度やチューター制度を充実させる」(29.3%)や「教務課や学生課などの事務機能を充実させる」(35.1%)はあまり支持されていません。

男女別では、多くの項目で男子より女子の方が対応を望む者の割合が高くなっていますが、最も対応が望まれている「奨学金の充実や、授業料免除など、経済的支援を強化する」については、男女による差はありません。

また、「過去1年間に体調の不調があった」について、「よくあった」6.7%、「ときにあった」36.4%と合わせると43.1%の学生が何らかの体調の不調があったとしています。これを男女別に見ると、男子では「よくあった」6.3%「ときにあった」35.3%で合わせて41.6%であるのに対して、女子では、同じく7.9%と40.5%で合わせて48.4%と、女子の方が体調の不調を訴える割合が高くなっています。

体調の不調があった時の対処法としては、「地域のクリニックや病院を受診」が31.1%で最も多く、次いで「家族に相談」(28.3%)「保健センターの診療部の受診」(17.1%)の順になっていました。

東京大学には複数の相談機関があり、学生は気軽に利用できるようになっています。駒場・本郷・柏には悩み全般に関する「学生相談室」、健康に関する「保健センター」があります。駒場には、数学・物理などの学習相談に応じてくれる「学習相談コーナー」が、進学・進路に関する「進学相談センター」があります。また、法学部・理学部・経済学部は学部独自に相談窓口を設けています。何か、困ったことがあったら、足を運んでみましょう。

参考

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掲載日:13-06-12
担当:久保京子
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