駒場プロレス祭

 学園祭でプロレス。それを聞いて「ああ、あれね。」と頷く人も少なくないだろう。彼らは、東京大学プロレスリングBAKA道場と、その母団体であるHWWA−一橋大学世界プロレスリング同盟に所属する正真正銘のプロレスラー。全員が学生である。現在秋の興行シーズン真っ盛りの彼らの後を追った。


 五月祭、そして駒場祭のわずかなひと時、キャンパスの片隅に突如としてリングが出現する。 青空の下に響き渡る歓声。その中を、プロさながらの本格的な衣装から予想だにしない奇抜な格好まで、実に様々な姿の選手たちが入場してくる。BGMと実況の織成す心地よいリズムが響き渡る。。大きな身体が軽々と持ち上げられたかと思うと、ときには投げ飛ばされて宙を舞い、ときにはリングに叩きつけられ突き刺さる。力強くも華麗な技の数々と息も吐かせぬ試合展開と突如として大爆笑を巻き起こすめちゃくちゃな展開、そしてリング上と息のぴったりと合った実況に、その場に居合わせた全ての人が釘付けになる。リング上の彼らの姿はとても大きく、その顔はとても楽しそうにきらきらとしている。見る側、見せる側の両方が心から楽しんでいる、まさに至高のエンターテイメントである。

 彼らの正体は東大、一橋大、武蔵野美術大の学生プロレスラーたち。各大学のプロレス団体がHWWA−一橋大学世界プロレスリング同盟に加盟して一緒に活動している。現在、彼らは年に2回の興行シーズンの1つ、秋のシリーズの大詰めを迎えている。武蔵野美術大学、一橋大学、東京農工大学での興行を終え、11月27日に行われる東京大学駒場祭での興行を残すのみとなった。そんな今だからこそ、彼らのパワーと笑いの源泉を探ることができるはず、と練習の場にお邪魔させていただいた。

 一橋大学小平キャンパスの片隅にある体育館のそのまた片隅で、黙々とマットに向かう漢たちがいた。訪れた時はちょうど大技の練習の真っ最中。大きな身体が、次々に宙を舞い、マットに沈んでいく。思わず固唾を呑んで見守った。水車落とし、ランサルセ、ドラゴンスクリュー、パワーボム、フロントスープレックス。いずれも、本格的な大技の数々である。各々が自分の得意技に磨きをかけているようだ。

 技をかける方もかけられる方も真剣そのものである。かと言って、張り詰めた空気があるわけではなく、しばしば笑顔も覗く。技をうまく受けられない選手がいれば野次ってみたり、いきなり数人がテレビさながらの実況をアドリブで入れてみたり、まさに和気藹々とプロレスの練習をしている。

 しばらくすると、今度はタッグマッチの練習を始めた。体育館の片隅のマットの上が、あたかも学園祭当日のリング上であるかのように、真剣そのもの、そして魅せ場満載の試合展開。一方のチームが2人がかりで1人を攻め立てる反則技に出れば、もう一方のチームも同じ手でやり返す。10数分の技の応酬を経て、一方のチームの技が決まり、そのままフォール。試合終了。体育館の片隅のマットの上が、あたかも学園祭当日のリング上であるかのように、真剣そのもの、そして魅せ場満載の試合展開だった。

 まだまだ練習を続けるレスラーたちに別れを告げ、帰途につく。駒場祭でのプロレス興行がもっともっと楽しみになってきた。


 駒場プロレス祭
場所: 情報教育棟前
ホームページ: http://go.to/hwwa/

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掲載日:05-11-22
担当:八木宏晃
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