'07 オープンキャンパス(駒場キャンパス)
教養学部や理学部数学科などがある駒場キャンパスのオープンキャンパス当日の模様をリポートします。
全体ガイダンス
場所: 900番教室 11号館1106番教室
駒場キャンパスきっての大教室である900番教室では駒場キャンパス全体についてのガイダンスが行われた。
小島憲道教養学部長が駒場キャンパスと教養学部について簡単な紹介をなさった後、男女共同参画室の村嶋教授、数理科学研究科の大島教授、生産技術研究所の黒田教授がそれぞれの組織についてお話しし、最後に、教養学部副学部長である西中村教授が駒場Iキャンパスと教養学部について詳しくお話しした。
西中村教授は教養学部を紹介するにあたって、特に幅広い教養教育とレイト・スペシャリゼーション(遅い専門化)について話された。入学者全員がまずは教養課程の教育を受け、2年生の夏に実施される進学振り分けの段階で初めて専門化がなされるという東京大学の特色について詳しい説明がなされた。会場の高校生にとってもこのあたりのことは大きな関心事であったようで、熱心に聞き入っているようであった。
西中村教授のお話が終わった後、約30分の休憩を挟み、総合講演が行われた。
担当: 伊藤俊夫 ![]()
総合講演
場所: 900番教室 11号館1106番教室
総合講演は、900番教室では松田良一准教授による「スーパーマンを救え―再生生物学への招待」という題目で、1323教室では藤垣裕子准教授による「科学技術と社会―私たちにできること」という題目で、それぞれ講演が行われた。
筆者は藤垣准教授の講演を聴いたが、「科学技術ではまだ答えが出せないが、社会的には決めなくてはならない状況」をテーマに講演が行われていた。水俣病やBSE問題などにおける失敗を例として取り上げながら、市民陪審の制度などの紹介も交え、科学技術と社会の関連性についてわかりやすく解説していた。
担当: 金井雄太 ![]()
映像による講義(小柴昌俊先生の学術俯瞰講義)・ 教員有志との懇談会
場所: 13号館1313番教室
13号館の1313教室では、小柴昌俊特別栄誉教授による学術俯瞰講義の映像講義と駒場の教員に高校生が自由に質問する懇談会があった。
「立派な学者というのは知らないことがたくさんあるということを痛感している人」と話す映像の中の小柴先生は、自身の研究対象であるニュートリノや素粒子についてゆっくりと丁寧に教えていた。
その後の懇談会では、「東大のいいところは何か」「勉強(学問)は何のためにするのか」「学問へのモチベーションはどのように維持しているか」「高校までの勉強と大学での勉強は違うということだがどんなことをしておけばいいか」など、積極的かつ好奇心旺盛に質問する高校生の姿が見られた。それに対して教養学部の教員の方々も、顔をほころばせながら熱心に答えていた。
担当: 佐藤愛果 ![]()
駒場紹介などのスライドショー
場所: コミュニケーションプラザ北館2階
高校生の来場者がキャンパス紹介を受けている間、コミュニケーションプラザ2階の多目的教室では子供を待つ保護者のためのプログラムも催された。最初に山本泰教授による東大の紹介が行われた。高校生のキャンパス紹介で使われているのと同じスライドを用い、保護者向けの情報も織り交ぜつつ東大や教養学部の特色について語っていた。
その後会場を音楽実習室に移し、学生によるピアノとチェロの演奏会が行われた。事前に整理券が配布されたこの演奏会は東大生による演奏ということもあってかほぼ満員の客入りとなり、参加者はしばしの音楽鑑賞を楽しんでいた。
担当: 関口慧斗 ![]()
模擬講義
場所: 11号館1106番教室 他
午後には様々な教室で同時並行して模擬講義が行われた。筆者はそのうちの一つである「きつい運動をするとなぜ疲れるのか」というテーマの講義に出席してみた。
講義を担当する八田秀雄先生は総合文化研究科身体運動科学研究室所属の准教授だ。講義の内容はテーマの通り、疲労のメカニズムについてのことだったが、その中でも特に、世間一般で言われている「疲労するのは筋肉に乳酸がたまるからだ」ということが実は出鱈目であるということに主眼がおかれていた。
講義では、まず最初に人体がエネルギーを生み出す仕組みについて解説され、その過程で乳酸がどのようにして作られるかが説明された。
次に、乳酸は疲労の原因となる老廃物ではなく、むしろエネルギーを生み出す源なのであるということが示され、それを裏付ける実験結果などが紹介された。それとともに、「疲労は乳酸がたまるから感じる」ということと矛盾する事例も紹介された。
最後に、八田准教授は疲労をもたらす本当の原因とはなんであるかということに触れた。その話によると、疲労の原因はリン酸の蓄積や筋肉の傷など実に様々で、しかも疲労の種類によっても異なるのだという。「疲労するのは乳酸がたまるから」というのは主にテレビなどのメディアが作り出した誤った常識であり、このような過度に単純化された情報に惑わされるなというメッセージで講義は締めくくられた。
八田准教授の講義の語り口は終始軽妙であり、出席していた高校生たちも興味深げに耳を傾けていた。
担当: 伊藤俊夫 ![]()
その他の企画
場所: 駒場キャンパス
上記の企画の他、質問コーナーとして、教養学部主催の「先輩に聞こう」、学生団体東大ガイダンスによる「東大生ガイダンス―きいてと〜だい―」、理学部数理科学科の質問コーナーが設けられた。和気あいあいとした雰囲気で、高校生たちは学生相談員に素直に悩みをぶつけていた。
15・16・17号館では、物理実験・化学実験などの実験のデモンストレーションとパネル展示が行われた。また、駒場図書館・情報教育棟は自由に見学できるようになっており、駒場博物館では特別展「はじめて出会う 囲碁の世界」が催されていた。
担当: 渡邉洋平 ![]()

