'07 オープンキャンパス(駒場キャンパス)

 教養学部や理学部数学科などがある駒場キャンパスのオープンキャンパス当日の模様をリポートします。

オープンキャンパス

模擬講義

場所: 11号館1106番教室 他

 午後には様々な教室で同時並行して模擬講義が行われた。筆者はそのうちの一つである「きつい運動をするとなぜ疲れるのか」というテーマの講義に出席してみた。

模擬講義  講義を担当する八田秀雄先生は総合文化研究科身体運動科学研究室所属の准教授だ。講義の内容はテーマの通り、疲労のメカニズムについてのことだったが、その中でも特に、世間一般で言われている「疲労するのは筋肉に乳酸がたまるからだ」ということが実は出鱈目であるということに主眼がおかれていた。

模擬講義  講義では、まず最初に人体がエネルギーを生み出す仕組みについて解説され、その過程で乳酸がどのようにして作られるかが説明された。

 次に、乳酸は疲労の原因となる老廃物ではなく、むしろエネルギーを生み出す源なのであるということが示され、それを裏付ける実験結果などが紹介された。それとともに、「疲労は乳酸がたまるから感じる」ということと矛盾する事例も紹介された。

模擬講義  最後に、八田准教授は疲労をもたらす本当の原因とはなんであるかということに触れた。その話によると、疲労の原因はリン酸の蓄積や筋肉の傷など実に様々で、しかも疲労の種類によっても異なるのだという。「疲労するのは乳酸がたまるから」というのは主にテレビなどのメディアが作り出した誤った常識であり、このような過度に単純化された情報に惑わされるなというメッセージで講義は締めくくられた。

 八田准教授の講義の語り口は終始軽妙であり、出席していた高校生たちも興味深げに耳を傾けていた。


担当: 伊藤俊夫 *

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