平成22年度秋季入学式

 秋の晴れ渡った空の下、安田講堂に新入生とその保護者が続々とやって来ます。この秋に大学院に入学する新入生は修士課程210名、博士課程236名、専門職学位課程22名の合計468名です。入学式では、黒いスーツを着た方々の他に、イスラム風の衣装を身にまとった方も見受けられました。東京大学が国際化の道を歩んできた証拠なのでしょうか。大学院入学生468名のうち、留学生の数は325名、つまり約7割を占めているのです。

秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様

 まだ暗い会場に、英語と日本語で諸注意のアナウンスが流れます。秋季卒業式と同様に、秋季入学式の進行も英語で行われるのです。午前10時になるとホールが明るくなり、東京大学音楽部管弦楽団によるヘンデル作曲王宮の花火の音楽より「序曲」の演奏で式典が始まりました。そして、アカデミックガウンを身にまとった総長・副学長・各研究科長が登壇し、開式です。

 続く濱田純一総長による式辞も、もちろん英語です。総長は、まず入学生へのお祝いの言葉と秋に式典を行うに至った経緯を述べられた後、国際化をテーマに、学生が異なる文化とぶつかり合うことで、新しいものを生み出す力、創造性を促す力が形成されてくるのだと語られました。さらに総長は、これから入学生たちには高いレベルの知的誠実さが求められることになると強調され、その第一歩として、事実にこだわること、なぜ学問をするのかと真剣に考えること、の二点を提示されました。その上で、知識は個人の利益のためだけではなく、社会の人々の利益のためにも存在しているということを踏まえ、人々に幸せをもたらす知識や知恵とはどのようなものなのか、社会の多くの人々とともに議論し、考えてほしい、そのような姿勢や取り組みを通じて、知識を担う者としてのプライドを生んでほしい、と期待を込めたメッセージを送られました。

秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様

 研究科長式辞は工学系研究科長の北森武彦教授が務められました。北森研究科長が強調していらっしゃったのは、知識の獲得という段階を超えた新しい知の創造の重要性についてでした。そして、そのために必要なのは「思考(thinking)」であり、具体的には、知識のソースを明確にする調査研究、アイデアの構想、プレゼンテーション、その結果を受けての再考、という過程を繰り返すことである、とおっしゃっていました。最後に、そうした研究活動のためにも健全な肉体・精神を養い、学友や教授との人間関係を育んでほしいと述べ、式辞を締めくくりました。

 大学院入学生総代宣誓を務められたのは新領域創成化学研究科の大前奈月さんでした。大前さんは、現在私たちが直面している国際的な問題、すなわち国家間の争い、地球温暖化、生物多様性の減少といった問題を解決するためには、知の連携をするべきであると述べました。知の連携とは、専門家たちがそれぞれの知を結集し、それを有機的に連携させるということです。大前さんはこれを、身体の各部分が機能をもち、それらが連動することで複雑な身体を実現させていることに例えました。そして、多様な国から多様な人々が集まる東京大学では、こうしたことが実現できると述べました。

秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様 秋季入学式の模様

 そして、東京大学音楽部コールアカデミーと東京大学音楽部女声合唱団コーロレティツィアによる「大空と」の披露と、出席者全員での「ただ一つ」の合唱が行われた後、閉式となりました。閉式後は安田講堂の前で楽しげに記念撮影をする参列者が多く見受けられました。


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掲載日:10-12-26
担当:松本周晃
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山内雄太
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