法学部講演会

法学部では、刑事訴訟法を専攻なさっている大澤裕教授が、「刑事司法は変わるか―最近の刑事司法改革の動向―」と題して講演されました。会場となった法文1号館22番教室に、学生から年長者までさまざまな年代の方が集まりました。

先生は初めに日本の刑事司法を「ガラパゴス的」と比喩した見解に触れられ、ガラパゴス諸島の生態系に喩えられたこれまでの日本の刑事司法の特色について解説されました。そこでは取調べを中核とした綿密な捜査が行われ、その裏腹として、裁判でも捜査の結果作成された調書が多用されていました。99%超の高い有罪率に代表されるように効率的であった反面、刑事手続全体に占める公判の意義が低下するという問題があったそうです。その後、先生は裁判員制度導入が裁判の公判廷にもたらした変化を紹介され、さらに、取調べの録音・録画制度の導入を中心とした新たな刑事司法制度改革の試みを紹介されました。録音・録画制度の制度設計上の議論が紹介された後、それらが取調べと供述調書に依存した刑事司法のあり方を改める上でどのような意味を持ちうるか、期待されるところが述べられて、締めくくりとなりました。

聴衆はみな真剣に講演を聞いているようで、それぞれの部分の導入や要点をまとめた部分では頷く方が多く見受けられました。テレビや新聞でしばしば扱われる司法制度改革が、どのような流れの中で、何を目指して行われているものなのかがよく分かる講義となっていました。

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掲載日:14-10-18
担当:伊藤重賢
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