"まさか"の事故の失敗学―危惧感・違和感も想定のうち

1.jpg

「失敗学」を提唱している中尾政之教授が、福島第一原子力発電所事故の例を中心として講演をなさいました。失敗学とは、大きな失敗には一般的にはそれまでに想定してこなかった失敗が多いという視点から、そのような失敗をどう防ぐか考えることです。普段失敗としてはヒューマンエラーが挙げられがちですが、大きな失敗は人がどのように不注意に陥るかの想定すら難しいものが多いので、事例をより大きなスケールで考える必要があるのです。先生は、一般的には想定できないとみなされがちな事例でも、多くは潜在的な危険が想定できるので、法律で強制されなくてもそのような危険を取り除くべきだ、と仰いました。そして、福島第一原子力発電所にもそのような危険が多くあったということを、事故当時のテレビ会議を挙げて説明されていました。同時に、大学の研究を例に挙げ、危険を含む活動だからといって実行しないのでなく、危険を取り除いて実行すればよいとも語られました。

先生はユーモアも交えながら話され、 多く集まった聴衆の反応も大きいものでした。講演会の後には多くの方々がエネルギー政策や防ぐ対象となる失敗などに関して質問をし、その対応は講演終了25分後まで続きました。先生の対応は新たな例も交えたわかりやすいものとなっていました。全体として、社会問題に対する新たなアプローチを感じられる講演会となっていました。科学技術と法律、社会の利益などの間の関係について考えるきっかけになりうる内容であるとも思いました。

このページにコメントを送る
このページへの評価:
いい!よくない!
担当:伊藤重賢
*