教員免許取得について

はじめに

学内生の中には、教職免許の取得について一度は考えてみたことのある人も多いのではないでしょうか。ここでは主に、中学校・高校の教職員免許を取得しようとする学部生向けに、教員免許取得に関する情報をまとめてみました。

毎年4月に駒場で「教育職員免許状の取得に関する説明会」が開かれているので、更に詳しく知りたい方はそちらにも行ってみてください。

※常に新しい情報となるよう努めておりますが、必ずしも最新の情報でない場合もございます。また年度によって科目名が変わることもしばしばありますので、入学時に配布される「教養学部便覧」や、進学先内定後に配布される進学先の「学部便覧」をご覧ください。現在の記事は平成28年度現在のものです。

教員免許について

学部卒業時に取得できる教員免許は、中学校教諭一種免許状と高等学校教諭一種免許状で、これらは各教科毎に授与されます。

東京大学では、学部・学科毎に取得できる教科は以下のように指定されています。(これらの学部・学科では、後述の「教科に関する科目」が開講されます。詳しくは該当の学部の教務課でご確認ください。)

学部 学科又は課程 中学校教諭
一種免許状
高等学校教諭
一種免許状
法学部 第一類・第二類・第三類 社会 地理歴史・公民
医学部 健康総合科学科 保健 保健
工学部 建築学科・都市工学科 工業
機械情報工学科 情報・情報
航空宇宙工学科・電子情報工学科 工業
物理工学科 数学 数学・工業
計数工学科 数学 数学・情報
マテリアル工学科・応用化学科
化学システム工学科・化学生命工学科
システム創成学科
工業
理学部 数学科 数学 数学
情報科学科 情報
物理学科・天文学科・地球惑星物理学科・
化学科・生物化学科・生物学科
理科 理科
地球惑星環境学科 理科 理科
農学部 応用生命科学課程 理科 理科・農業
環境資源科学課程 社会・理科 地理歴史・公民・理科
獣医学課程 理科 理科
経済学部 経済学科・経営学科 社会 地理歴史・公民
教養学部 教養学科 国語・社会・英語 国語・公民・英語
学際科学科 理科 地理歴史・理科・情報
統合自然科学科 数学・理科 数学・理科
教育学部 総合教育科学科 社会・保健体育 地理歴史・公民・保健体育

※表中の「その他の外国語」とは、具体的にはドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語のことを指す。

しかしここに記載のない場合も、他学部・他学科の科目を履修し単位を取得することで、免許状を取得することができます。

教員免許取得のために

教員免許を取得するためには、教育職員免許法に基づいて大学が指定した科目を履修し単位を取得しなければなりません。必要な単位は、(1)基礎科目・総合科目、(2)教科に関する科目、(3)教職に関する科目 の3つに分類されます。

それぞれの必要単位数は以下の通りです。また、各学年向けに開講されている授業の有無も示しました。

科目区分 科目名 必要単位数 開講年次
中学校免許 高等学校
免許
基礎科目・総合科目 日本国憲法 2 8 2 8 1年生〜
体育 2 2 1年生〜
外国語コミュニケーション 2 2 1年生〜
情報機器の操作 2 2 1年生〜
教科に関する科目 教科毎に異なる分類 ※※ 20 59 ※※ 20 59 3年〜
教職に関する科目 教職の意義等に関する科目 2 31 2 23 2年生〜
教育の基礎理論に関する科目 6 6 2年生〜
教育課程及び指導法に関する科目 12 6 2年生〜
生徒指導、教育相談及び進路指導等に関する科目 4 4 2年生〜
教職実践演習 2 2 3年生〜
教育実習 5 3 3年生〜
教科又は教職に関する科目 8 16 1年生〜

※このほかに、中学の免許には介護等体験が必要。

※開講年次が1年生〜とある区分の講義の中にも、前期課程では履修が認められていないものも一部存在します。

※※教科ごとに内訳が異なります。

基礎科目・総合科目

ここでは、基礎科目・総合科目について対応する科目を具体的に紹介します。

アドバイス

必修科目に加えて、「日本国憲法」を履修すれば大丈夫です。「日本国憲法」については前期課程で修得できなくても、後期課程で「憲法」(法学部開講・計6単位)に合格することで修得が可能ですが、これはかなりの負担になるので前期課程のうちに修得しておくのが無難と言えます。

ただし、「憲法」は法学部の全類必修科目なので、法学部に進学する場合は前期課程で履修しなくても問題ありません。また、「哲学・倫理学又は宗教学」はあくまで要望科目であり、これを履修しなかったという理由で不利な扱いを受けるわけではありません。

教科に関する科目

教科に関する科目として必要な単位数は上記のように中学校免許・高等学校免許とも20ですが、取得しようとする免許の教科によって、修得すべき教科に関する科目の内訳は異なります。

教科名 教科に関する科目の名称 最低修得
単位数
最低修得
単位数
中学校免許 高等学校免許
国語 国語学 1 1
国文学 1 1
漢文学 1 1
書道 1
社会 日本史・外国史 1
地理学 1
法律学・政治学 1
社会学・経済学 1
哲学・倫理学・宗教学 1 1
地理歴史 日本史 1
外国史 1
人文地理学・自然地理学 1
地誌 1
公民 法律学・政治学 1
社会学・経済学 1
哲学・倫理学・宗教学・心理学 1
数学 代数学 1 1
幾何学 1 1
解析学 1 1
確率論・統計学 1 1
コンピュータ 1 1
理科 物理学 1 1
物理学実験 1
化学 1 1
化学実験 1 1
生物学 1 1
生物実験 1 1
地学 1 1
地学実験 1 1
物理学実験・化学実験・生物学実験・地学実験 1
保健体育 体育実技 1 1
体育原理・体育心理学・体育経営管理学・体育社会学・運動学 1 1
生理学 1 1
衛生学・公衆衛生学 1 1
学校保健 1 1
保健 生理学・栄養学 1
生理学・栄養学・微生物学・解剖学 1
衛生学・公衆衛生学 1 1
学校保健 1 1
英語(※) 英語学 1 1
英米文学 1 1
英語コミュニケーション 1 1
異文化理解 1 1
宗教 宗教学 1 1
宗教史 1 1
教理学・哲学 1 1
情報 情報社会・情報倫理 1
コンピュータ・情報処理 1
情報システム 1
情報通信ネットワーク 1
マルチメディア表現・技術 1
情報と職業 1
農業 農業の関係科目 1
職業指導 1
工業 工業の関係科目 1
職業指導 1

※英語以外の外国語については、英語に準ずる。すなわち、「英語学」を「ドイツ語学」「フランス語学」など、「英米文学」を「ドイツ文学」「フランス文学」など、「英語コミュニケーション」を「ドイツ語コミュニケーション」「フランス語コミュニケーション」などに読み替える。

免許取得したい教科に対応する科目のうち「1」となっているものについて、全ての科目を1単位以上、あわせて20単位取得しなければなりません。

アドバイス

これらの教科に関する科目は、4学期以降に開講される後期課程の科目であり、各学部が認定科目として設定しています。すなわち、表の最上行にある「国語学」ならば、「国語学」という科目が開講されているわけでは必ずしもなく、例えば文学部で開講される「国語学概論」や「国語学演習」といった科目の単位を修得することで、その単位が「国語学」の単位として認定される決まりになっている、というわけです。

認定科目の一覧表は、各学部の便覧や教務課で確認できます。進学先の学部だけでなく他学部の科目も履修することができるので、くまなくチェックしておきましょう。

教職に関する科目

これらの科目は、「各教科の指導法」の一部を除き、全て教育学部で開講されています。免許状の取得のためには、各大分類について、各小分類(表では「グループ」と表記)から最低1科目を履修した上で必要単位数を満たさなければなりません。

大分類 必要単位数 必要単位数 小分類 科目名
中学 高校
教職の意義等に関する科目 2 2 グループ1 教師論
教職論
教育の基礎理論に関する科目 6 6 グループ1 教育原理
基礎教育学論
教育哲学概論
グループ2 教育心理Ⅰ
教育心理Ⅱ
グループ3 教育と社会
教育社会学概論
教育課程及び指導法に関する科目 12 6 グループ1 教育課程
グループ2 各教科の指導法
グループ3(中学のみ) 道徳教育の理論と実践(※※)
道徳と教育(※※)
道徳教育法(※※)
グループ4 特別活動論
特別活動の指導法
グループ5 教育の方法
教育方法論
教育とメディア
生徒指導教育相談及び進路指導等に関する科目 4 4 グループ1 進路指導・生活指導
グループ2 教育相談Ⅰ
教育相談Ⅱ
教職実践演習 2 2 教職実践演習
教職実習 5 教職実習Ⅰ
教職実習 3 教職実習Ⅱ

※教育実習を除き、全て1科目あたり2単位。

※前期課程や進学先の必修科目と時間割が重複し、そもそも履修できない場合もある。

※※「道徳教育の理論と実践」「道徳と教育」「道徳教育法」は、中学校教員の免許を取得する場合に限り、履修したうち1科目2単位分のみを「教職に関する科目」の単位に算入することができます。それを超えて修得した単位は、後述の「教科又は教職に関する科目」の単位として扱われることになります。

教科又は教職に関する科目

最低修得単位数を超えて取得した「教職に関する科目」または「教科に関する科目」の単位が、ここに参入されます。

また、「教科又は教職に関する科目」のみに充てることができる科目も若干数開講されています。詳しくは便覧を参照してください。(平成28年度は「道徳教育の理論と実践」「道徳と教育」「道徳教育法」「社会教育論機廚4つが開講されています。前述のように、「道徳教育の理論と実践」「道徳と教育」「道徳教育法」を中学校教諭一種免許取得のために履修する際は、そのうちの1科目2単位が「教職に関する科目」として参入されますので注意してください。)

教育実習について

中学の教員免許を取るには5単位分の教育実習が必要で、受け入れ学校ごとに3〜4週間の期間が設定されています。高校の教員免許の場合は3単位分の教育実習が必要で、受け入れ校ごとに2週間の期間が設定されています。

大学への申込は、教育学部学生支援チームホームページ( http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~edudaiga/kyosyoku/kyosyoku-index.htm )の「申込フォーム」で行うことができます。申込期間は実習の前年度の4月から9月上旬の〆切日(年度によって異なる)までです。母校などで実習を行う場合、実習先として希望する学校に問い合わせ、受け入れ校に「内諾書」を交付してもらうことになります。内諾書の大学への提出締め切りは、例年9月頃です。教育学部付属中等教育学校での実習を希望する場合、上記の申込フォームから申請することができます。また、実習校に送付するための「調査票」を作成し、実施年度の4月上旬までに所属学部に提出する必要があります。

3年生で教育実習に行く場合は、2年生のうちにこれらの手続きを行うことが必要ですので注意してください。

実施前年度の3月頃に教育実習オリエンテーションが、実施年度の5月頃に授業見学が附属中等教育学校にて行われるので参加しましょう。

教育実習終了後は、レポートを大学へ提出しなければなりません。なお、附属中等教育学校にてまとめの会があるので、こちらにも参加します。

介護等体験について

介護等体験とは、特別支援学校に2日間・社会福祉施設に5日間出向き、介護・介助・交流などの体験をするというものです。

こちらも実施前年度の4月から9月上旬の〆切日までに教育学部学生支援チームホームページの「申込フォーム」に必要情報を登録しなければなりません。その直後の10月頃に、介護等体験講習会があるので参加しましょう。

本申し込みは実施年度4月頃に行われ、その後、介護等体験の日程と施設が大学から指定されることになります。

体験が終わったら、証明書を受け入れ施設に記入してもらい、それを大学へ提出しましょう。

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掲載日:09-10-11
担当:UT-Life