情報科学

今回の講義紹介では、理系を中心に多くの学生が受講する「情報科学」を紹介する。講義を担当するとともに教科書を執筆された教員・増原英彦准教授にお話を伺った。


1. 「情報科学」について | 2. 学生に対して


講義の概要

増原先生

この情報科学という講義は、名前の通り情報に関する科学を学ぶものです。講義の内容がプログラミングと関係するため、前半では簡単なプログラミングを勉強し、その後に考え方や概念を、プログラムを書きながら演習形式で勉強します。 この講義は多くの履修者がいるため複数の教員が担当します。そのため、総合科目ではありますがクラス指定を設けています。情報科学という科目になったのは2006年からで、それまでこの科目の元となる「計算機プログラミングI」という科目がありました。その科目はクラス指定を設けないで学生が好きな先生を選んで受講していたのですが、人気のある先生のクラスの人数がものすごく多くなってしまって、演習がとても大変になってしまったんです。そこで人数のバランスを取りたいということで理系の学生に対してはクラス指定を設けてあります。しかし理系の学生だけが受講することを想定しているわけではなく、文系の学生にもこの科目の内容について知っていてほしいので文系の学生も受講できるようになっています。

必修課目「情報」との違い

1年生の夏学期に「情報」という必修科目があり、その後の冬学期にこの「情報科学」が開講されていますが、情報科学では科学的な側面を重視しています。情報の講義では例えば著作権法であるとか、世の中との関わりについても扱っていますが、情報科学はそういうことは扱わず、サイエンティフィックな側面を掘り下げて講義しています。「情報」の講義の中盤で、アルゴリズムとか計算量とかの理系っぽい話があったと思いますが、その部分をもう少し深く学ぶものが情報科学であると考えていただければいいと思います。

講義の内容

増原先生

講義で扱うプログラミング言語はRuby(オープンソースのプログラミング言語の1つ)です。2006年に科目名が変わった時点でそれまで使っていたJavaからRubyに切り替えました。その最大の理由は、とっつきやすいものにしたかったということです。情報科学を履修する学生の半分以上は、今まで全くプログラミングをしたことがないという状態です。ですから最初に面倒なことをやってようやくプログラムが動いた、というよりは、ちょこっと書いたらすぐ動く方が楽しいだろうと。加えて有料のソフトウェアだと、自宅で自習する際にも不都合が生じてしまうので、無料で処理系が手に入るものを選びました。またその言語についてある程度の情報があるもの、つまり教科書以外にも市販の指南書が簡単に手に入る言語が勉強がしやすいだろうという理由もあります。後は見た目ですね。あまりヘンテコな書き方をしなくてもいいという利点があります。少なくとも最初のうちは難しい思いをしなくて済むようにという理由からも、先生方と話し合った上でRubyにしました。

講義を担当する先生が10名ほどいますが、講義の進め方については基本的には先生にお任せしています。私は、自分で書いた教科書だということもあって、教科書の順番で講義していますが、特に後半に関しては、先生によって講義の順番が異なります。また教える内容は同じですが、ご自身で書かれた教科書を使用している先生もいらっしゃいます。進め方は先生方でなるべく良いと思う工夫をなさっています。 去年(2009年)まではウェブ上で公開していた教科書でしたが、紙で出版する予定で書き続けていたものが今年(2010年)の6月に出版されまして、今後はこの紙の教科書を使用します。出版するにあたり書き変わったところがいくつかありますが、大筋においては去年まで公開されていたものと同じです。

講義中の工夫

講義全体の方針として、なるべく結果が目に見えるようにしようとしています。例えば、非常に簡単なグラフィックスが2,3週間後には表示できるようになるとか、そういう風に見た目を楽しくしようという工夫です。後半でも、計算時間がどう変化するかという授業ではリアルタイムで計算時間のグラフが出るようなプログラムを用意して使ってもらっています。私の講義ですと、グラフィックスを出すという授業ではみなさんに面白い図案を作ってもらってその品評会をしてもらっています。そうするとものすごく凝った絵が出てきたりして見ててすごく楽しいし、お互いの刺激にもなって、自分ではうまくいってるんじゃないかと思っています。

品評会には予想しないようなものがいっぱい出てきて楽しいですね。どういう結果にせよ、自分で考えて、式を書き、プログラムを動かして、絵を書いてもらっています。この式と結果を対応づけるために考えるプロセスが結構大事で、いろいろと試してもらえるとすごくいいと思います。残念ながら他の人のものを借りてきてちょっとだけいじるというような作品が見られますが、それはやめていただきたいです。


試験と成績評価

成績評価は共通問題と、先生によっては課題などを加味しています。基本的には教科書を勉強し、授業を受けたらこのくらいは解けるだろうと思って問題を作っていますが、点数の差をつけなければいけないのでそのための問題を作ると、どうしても難しそうな問題になってしまいます。試験の難しさと成績評価はあまり関係がないのですが、過去問を見て難しいと敬遠してしまっているのではないかと考えています。そこで今年度(2010年度)からは今までよりも簡単な問題にしようということになっています。昨年度(2009年度)までのように試験は難しくないので(笑)みなさん是非受講してください。

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掲載日:10-10-06
担当:亀甲博貴
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