健康支援実習

授業開始前

医学部健康総合科学科には2つのコースがあり、進振りを終えて1年経過した3年冬学期に入るときに自分がどちらに進むかを選択します。そのコースとは、広い視点から医療や健康に関することを学ぶ「健康科学コース」と看護師を目指す「看護学コース」です。この健康支援実習は看護学コース選択者にとっては必修ですが、健康科学コース選択者にとっては選択科目となっています。

シラバスには「地域アセスメントを通して、地域に居住する人々の特徴、地域の健康資源や環境、それらが健康に与える影響などを多面的に把握し、地域全体の健康問題について考察する」と書かれていました。進学内定者学部ガイダンスで配られた資料から、この実習がグループワーク形式のものであることはわかったのですが、この2点以外にはこの講座の内容についての具体的な情報が全くなく、加えて冬学期の授業開始日の1〜5限に行われることから、不安と緊張の中で講座初回を迎えることとなりました。

初めての授業

先に書いたように、この授業は看護学コース進学希望者のみ必修となっています。2013年のこの学科の2年生の多くは健康科学コースに進むことを考えているようで、この実習が多くの人にとって選択科目であるにもかかわらず、全体の8割以上が受講していました。

初回の授業では先生からこの実習についての説明がなされました。受講前の私にとって謎の多かったこの実習は、まとめると「グループごとにある地区をとりあげ、そこで暮らす高齢者の視点に立ってその地区の住環境や地理的環境の実態を調査し、また高齢者ケアセンターを訪問する」というものでした。立つ視点は年度により異なるようで、例えば2012年度は乳幼児の保育の観点から調査していたようです。2回目の授業から2回を使って、実際にその地区を訪れて散策する「地区踏査」と、高齢者のデイサービスセンターを訪問して高齢者や介護士さんから話を伺うことになりました。

地区踏査

私のグループが担当したのは、文京区の本郷・弥生・西片・白山地区でした。朝はグループごとに現地集合で、お昼頃までグループで地区内を歩き回りました。グループの具体的な行動計画は完全にそれぞれのグループに任されていて、何時までどこをどうやって踏査するかまで自由に決められます。実際に街を歩くと、坂の多少・勾配や、病院・薬局の多さ、住宅街からスーパーマーケットまでの距離など、日常生活を送る上で高齢者が感じるであろう自由・不自由さを体感でき、またバスに乗れば、乗客層や運行ルートなどから実際にどの程度有用な存在となっているかを測ることができました。

デイサービス施設訪問

訪れたのは「文京本郷高齢者在宅サービスセンター」。施設の送迎バスに同乗させてもらい利用者や運転手さん、同乗のヘルパーさんから話を伺ったり、施設の看護師さんにインタビューしたり、利用者の遊戯に混ざったりしました。施設にはリハビリ設備や入浴設備も用意されており、利用者の家族の負担の軽減や、退院後のトレーニングのために施設を利用する人も多くいる様子が覗えました。

発表

それぞれのグループが順に、地区踏査で判明した地区の長所と短所、解決策と、施設訪問で聞いた住民の声を発表しました。本郷地区は坂が多く、地形的な条件はどうしようもないですが、外出機会やほかの高齢者との交流機会を増やしたり、各種イベントの認知度を上げたりすることで、充実した老後が送れるのではないかという意見が多く上がっていました。

打ち上げ

発表は午前中で終わり、当日のお昼には、実習担当の地域看護学教室の先生方とともに小さな立食パーティーが開かれました。先生方や他グループの人と交流して、お互いのグループ発表の良かった点を深めあったり、発表の場では聞けなかった疑問を投げかけることができたりと、充実した時間を過ごせました。

まとめ

進学してすぐに初対面の人とグループを組んで行う実習ということで、多くの人が多少なりとも不安を抱えていた授業でしたが、この実習はお互いが仲良くなるきっかけにはなったのではないかなと思います。

ともすれば机上の空論となる恐れのある研究実習で、実際に足を運んで調査を行うという視点を意識させ、より現実的な議論を可能にすることがこの授業の隠された目的なのかもしれません。


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掲載日:14-02-10
担当:川口倖左
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