森に学ぶ(北方針広混交林と天然林施業を学ぶ)

大麓山山頂からの眺望

大学の授業というと、大教室に大勢の学生が集まる講義や、狭い研究室での実験などを思い浮かべることでしょう。しかし、中には大自然に囲まれての野外授業もあります。その例として、全学体験ゼミナールの「森に学ぶ」が挙げられます。

「森に学ぶ」は、国内8ヶ所にある東大農学部の演習林において、森林の植生や生態系、林業などについて学ぶ科目です。概ね演習林ごとにコースが分かれていて、多くは9月下旬(秋休みの終わり頃)に3泊4日の日程で開講されます。ここでは、そのうち筆者が参加した「北方針広混交林と天然林施業を学ぶ」のコースを紹介します。

「北方針広混交林と天然林施業を学ぶ」では、北海道演習林(富良野市)に行き、森林の観察や林業現場の見学などを行います。針広混交林とは、亜寒帯に多い針葉樹と温帯に多い広葉樹がともに植生している森林のことで、世界的に珍しい存在です。

天然林施業現場の様子

筆者が参加した年には、まず演習林内にある秘峰・大麓山(標高1,459m)に登りました。登山道を登っていくうちに少しずつ植生が変わっていき、その度に演習林の職員が丁寧に分かりやすく説明してくれます。山頂に到着した時には、山々が連なった雄大な景色を眺めることができました。他には、天然林施業現場の見学や、間伐する樹木の選定の体験、さらには演習林を離れてアイヌ民族にまつわる土地を巡るツアーなども行われました。

昼間の野外での活動の他に、宿舎で過ごす時間もこのゼミの楽しみの一つです。たまたま同じ部屋になった人ともだんだん打ち解けてくるでしょうし、部屋の仲間や演習林の職員と夜遅くまで語らうこともあるでしょう。晴れた夜には宿舎の外で、東京では見られない綺麗な星空を見ることもできます。また、このゼミは演習林の最寄り駅で集合・解散という形式をとるので、お金と時間に余裕があれば、さらに長い間北海道に滞在して観光を楽しむこともできます。実際、森林について学ぶよりも単に北海道に行ってみたいという理由で参加する人も多く、友達同士で旅行がてら参加する人もいます。

合否の判断は出席とレポートによります。レポートは現地で考えたことや感じたことを、A4のレポート用紙1枚に簡単にまとめて最終日に提出する程度のものなので、大して負担にはなりません。むしろ出席のほうが重要となってくるでしょう。このゼミを受講するには4月の履修登録で申し込まなければなりませんが、開講される9月まではかなり長い期間があります。その間に自分の予定が大きく変わって受講できなくなる可能性が無いとはいえないので、この点は注意する必要があります。

ともあれ、森林に興味のある学生はもちろん、軽く旅行気分で参加する人にとっても、歩いて見て体験して楽しめるゼミとなっています。


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掲載日:08-02-19
担当:渡邉洋平
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