21世紀の植物科学

植物はどうやって生きているのだろう、と考えたことはありますか?「21世紀の植物科学」と題したこのゼミでは、新しくわかってきた植物の生存戦略を紹介してくれます。授業は理学部生物学科・大学院理学系研究科生物科学専攻の植物科学を専攻にする教員によるオムニバス形式で、毎週土曜日2限、本郷キャンパスの理学部二号館、及び理学系研究科附属の小石川植物園にて行われました。

講義はまずミクロな視点から始まりました。教員が顕微鏡映像などを交えて、植物のダイナミックな様子を伝えます。細胞内の物質輸送のしくみや、細胞が分裂するときの細胞質の役割を学びました。遺伝子やタンパク質などがたくさんでてきてよくわからない部分もありましたが、植物の静的イメージとのギャップを感じることができました。

次に少しマクロな視点に立ち、地球上にはどんな微生物がいて、どのように分類されるかを学びます。微生物は動物ではないかと思うかもしれませんが、理学部では生物を植物と動物と人類に分類していて、微生物は植物の専攻でも扱われています。

ノーベル賞受賞者の、動く遺伝子を発見したバーバラ・マクリントック、RNA干渉を発見したクレイグ・メローとアンドリュー・ファイアについての話も聞けました。伝記を読むようで、興味深いものでした。

小石川植物園では、一般公開されていない温室に入って、多種多様な熱帯植物を見てまわりました。熱帯植物は、普段私たちが見ている温帯や冷帯の植物とは大きさも形態も全く違っていて、熱帯植物の不思議な世界を体験することができました。意外なことに、植物園で根の成長パターンを解析する方法の紹介もありました。微分方程式がいくつも使われ、数学の授業のようでした。数学がそれほど得意ではない筆者にとっては、この講義が一番難しく感じました。

少々高度な内容の講義もありましたが、評価は出席でなされるので、全部理解する必要はありません。そのためか、文科生や、生物未修者も参加していて、先生方は初歩から丁寧に教えてくれました。講義の後で研究室を見学させてくれる先生もいるので、進学先の候補として見にくるのもよいと思います。植物にちょっとでも興味がある人は、この機会に履修してはどうでしょうか。バラエティーに富んだ授業を受ける中できっと興味深いものが見つかると思いますよ。


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掲載日:09-05-24
担当:富川恵美
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